夜露で天体望遠鏡が曇る前に|観測・保管で絶対避けたいNG行動7選

こんにちは。カメラ・光学機器買取専門店「カメラ堂」の長尾です。

秋から冬にかけては、天体観測に向いた季節です。

夏に比べて空気中の水蒸気が減り、空の透明度が上がります。気温も下がって、長時間外にいるのが苦にならない。

そんなわけで、この時期になると押し入れや物置から望遠鏡を引っ張り出す方が増えます。

ところが、ここで「あれ?」となることがあります。

レンズの中が白く曇っている。鏡の表面に点々とシミが出ている。コントローラーの電池ボックスが錆びている。

しまいっぱなしにしていた数か月で起きたことです。

天体望遠鏡は、カメラと同じかそれ以上に湿気に弱い機材です。そして一度光学系にカビが入ると、素人ではまず対処できません。

今回は、望遠鏡をダメにしてしまう「やってはいけないこと」を7つにまとめました。

これから観測シーズンに入る方も、しばらく使っていない機材がある方も、一度目を通していただければと思います。

NG行動1|夜露がついたまま、そのまましまう

いちばん多くて、いちばん取り返しがつかないのがこれです。

夜間の観測では、放射冷却で鏡筒やレンズが気温より冷えます。そこに空気中の水分がついて露になる。避けようがありません。

問題は、そのまま袋やケースに入れて帰ってしまうことです。

密閉された空間に湿った機材を入れると、内部は高湿度のまま何時間も保たれます。カビにとって好都合な環境です。

帰宅後にやること

帰宅したら、まずケースから出す。

キャップを外して、室内で数時間そのまま乾かす。レンズや鏡には触らず、風を通すだけで構いません。

面倒に感じるかもしれませんが、この一手間があるかないかで、数年後の状態が変わってきます。

NG行動2|対物レンズや主鏡を、その場で拭いてしまう

露がついていると、つい拭きたくなります。

これは避けてください。

天体望遠鏡の光学面には、反射を抑えるためのコーティングが施されています。カメラのレンズと同じで、乾拭きすると細かい傷が入ります。

反射望遠鏡の主鏡は特にデリケート

反射望遠鏡の主鏡は、表面のアルミ蒸着が非常にデリケートです。指で触れると皮脂が付着し、劣化のきっかけになります。

露は拭かずに、乾かす。

どうしてもホコリが気になるときは、ブロアーで飛ばす程度にとどめる。

「汚れているから綺麗にしよう」という気持ちが、かえって機材を傷めてしまうことがあります。

NG行動3|電池を入れたまま長期保管する

自動導入のコントローラー、モータードライブ、電池式のファインダー。

ここに電池を入れっぱなしにしたまま半年、一年と置いておくと、液漏れが起こることがあります。

漏れた液は端子を腐食させます。進行すると基板まで影響が及びます。

コントローラーが使えなくなると痛い

これがなかなか痛いところで、本体の光学系がどれだけ綺麗でも、コントローラーが動かなければ自動導入は使えません。純正のコントローラーは単体では手に入りにくいものが多く、機材全体の評価にも影響します。

シーズンが終わったら電池を抜く。

これだけで防げます。作業としては一分もかかりません。

NG行動4|押し入れや物置に、そのまま置きっぱなしにする

望遠鏡は大きいので、置き場所に困ります。

結果、押し入れの奥、物置、ベランダの物入れ、といった場所に落ち着きがちです。

ただ、こうした場所は湿気がこもります。

カビとバルサム切れ

長期間の高湿度で起きるのは、レンズ内や鏡面のカビです。ガラスの表面に生えたカビは、放置すると跡が残ることがあります。

また、古い屈折望遠鏡の貼り合わせレンズは、経年で接着層が劣化し、白く濁ったり縁から剥がれてきたりすることがあります。いわゆるバルサム切れです。こちらは湿気だけが原因ではありませんが、保管環境が悪いと状態の進行が早まります。

保管場所の選び方

難しく考えなくて大丈夫です。

風通しがよく、極端に湿気がこもらない場所を選ぶ。押し入れに入れるなら、床に直置きせず、すのこを一枚挟むだけでも変わります。

アイピースなど小物だけでもドライボックスに入れておくと、より安心です。

NG行動5|減光装置なしで太陽を見る/キャップを外したまま放置する

これは機材の話ではなく、安全の話です。

天体望遠鏡で太陽を直接覗くと、ごく短時間でも目に重い障害が残ります。失明の危険があります。太陽を見る場合は、対物側に取り付ける専用の太陽フィルターか、投影板を必ず使ってください。

接眼部にねじ込む「太陽フィルター」は使わない

古い望遠鏡には、接眼レンズに直接ねじ込む小さなサングラス状の「太陽フィルター」が付属していることがあります。これは集光された光と熱が直接当たるため、観測中に割れる危険があるとして、現在は使用しないよう広く注意喚起されているものです。付属していても使わないでください。

日中、キャップを外したままにしない

もうひとつ、見落とされがちなのが日中の放置です。

対物キャップを外したまま、望遠鏡をベランダや庭に置いておく。太陽が動いて、たまたま鏡筒の向きと重なる。

集められた光が接眼部を焼きます。虫めがねで紙を焦がすのと同じ原理ですが、望遠鏡の集光力はその比ではありません。

使わないときはキャップをする。基本ですが、意識しておいて損はありません。

NG行動6|動きが渋い赤道儀を、力ずくで動かす

長く使っていない赤道儀は、内部のグリスが固まっていることがあります。

久しぶりに出して、動きが渋い。少し力を入れれば動きそうな気がする。

ここで無理に回すと、ウォームギアを傷めるおそれがあります。精度が求められる部分なので、一度傷むと追尾に影響が出ます。

まずクランプを確認する

渋いと感じたら、クランプがしっかり緩んでいるかを確認してください。それでも動かないなら、力ではなく整備を検討する。

赤道儀は望遠鏡の性能を左右する重要なパーツです。長く使うためにも、ここは無理をしないほうが安全です。

NG行動7|元箱や付属品を、先に処分してしまう

片づけをしていると、大きな箱がまず邪魔になります。

でも、望遠鏡の場合これは待ってください。

付属品は揃っているかどうかで評価が変わる

アイピース、天頂プリズム、ファインダー、バランスウェイト、レデューサー、純正の説明書。こうした付属品は、揃っているかどうかで評価が変わります。

特にアイピースは、本体とは別に単体でも価値があるものが少なくありません。よく分からないからと処分してしまうのが、いちばんもったいないところです。

元箱も同じです。かさばりますが、輸送時の保護になるという実務的な理由もあり、あるとないとでは扱いが違ってきます。

とりあえず一緒にまとめておく。判断はそのあとで大丈夫です。

観測シーズンに向けて、最低限これだけは

細かく書いてきましたが、覚えておいていただきたいのは3つだけです。

・湿気を残さない
・電池は抜いておく
・光学面には触らない

観測から帰ったら、ケースから出して乾かす。

シーズンが終わったら、電池を抜いてから片づける。

レンズと鏡は、拭かない。

この3つを守るだけで、望遠鏡の状態はかなり保てます。

天体望遠鏡の買取はカメラ堂へ

もし、

「久しぶりに出したらレンズの中が曇っていた」
「使わなくなって何年も置いたままになっている」
「親が使っていた望遠鏡が出てきたが、価値が分からない」

そんな機材がありましたら、一度ご相談ください。

カメラ堂は、カメラだけでなく天体望遠鏡・赤道儀・アイピースなどの光学機器を専門に扱っています。カビやクモリのあるもの、動作しないもの、付属品が欠けているものも、まずは見せていただければと思います。査定だけでも構いません。

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梱包用の宅配キットをお送りします。査定料・キャンセル料・返送費用はすべて無料です。望遠鏡は大きく重いものが多いので、こちらをご利用いただく方が多くなっています。

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