ビクセン(Vixen)の歴史|タカハシと並ぶ国産望遠鏡メーカーを解説

カメラ・光学機器買取専門店「カメラ堂」の長尾です。
当店では現在、天体望遠鏡や赤道儀といった光学機器の買取を強化しています。なかでもお問い合わせが多いのがビクセン(Vixen)製品です。「押し入れから出てきた古い赤道儀があるのですが」「父が使っていた望遠鏡一式を整理したい」といったご相談です。
ビクセンは、日本のアマチュア天文を語るうえで外せないメーカーです。今回はその歩みを、公式の沿革をもとに整理してみました。買取に出す前に、ご自分の機材がどういう位置づけのものなのかを知っていただければと思います。
社名は、サンタのそりを引くトナカイから
まず名前の話から。ビクセンという社名は、クレメント・ムーアの詩に登場する、サンタクロースのそりを引くトナカイの一頭「Vixen」に由来します。同社は「みなさんに幸せや感動を届ける会社になりたい」という想いを込めた、と説明しています。
天文機材のメーカー名としてはかなり異色ですが、輸出を強く意識していた同社らしい、海外でも覚えてもらいやすい名前だと言えます。
出発点は望遠鏡ではなく、光学機器の卸売
意外に思われるかもしれませんが、ビクセンは望遠鏡メーカーとして始まった会社ではありません。
創業は1949年(昭和24年)。土田耕助氏の個人営業として、光学機器の卸販売からスタートしました。1954年に株式会社光友社を設立し、新宿区若松町で営業。1957年には輸出部を新設し、アメリカ・欧州・中近東へと販路を広げています。この時期に第3回輸出工芸展で通商産業大臣賞などを受けており、戦後の輸出産業として着実に力をつけていったことがうかがえます。
天体望遠鏡の製造販売に乗り出したのは1966年。「ジェミニエーター型」がその第一号でした。1970年には社名を株式会社光友社から株式会社ビクセンへ変更し、現在の姿になります。
「ポラリス」から始まった、量産赤道儀の系譜
ビクセンの名前を決定づけたのが、1976年発売の「ポラリス」シリーズです。国内で初めてダイキャスト製法を採用した本格的な赤道儀式天体望遠鏡で、精度を保ちながら量産できる構造が、アマチュアの手に届く価格帯を実現しました。
1984年には「スーパーポラリス」シリーズを発売。同じ年、世界初となるアマチュア向けの天体自動導入装置「スカイセンサー」も世に出しています。1992年には「グレートポラリス(GP)」シリーズが登場しました。現在も中古市場で流通し続けているGP・GPD系の赤道儀は、この流れの中から生まれたものです。
以降の主な赤道儀の系譜は次のとおりです。
- 1989年 大型赤道儀「アトラクス」
- 2003年 大型カラー液晶によるナビゲーション機能を備えた「SX(SPHINX)」シリーズ
- 2007年 「SXD」シリーズ
- 2010年 フラッグシップ「AXD」シリーズ
- 2011年 「SXP」シリーズ、星景撮影用の「星空雲台ポラリエ」
- 2014年 「SX2」シリーズ、フリースタイル設計の「AP」シリーズ
- 2018年 「AXJ」「SXP2」シリーズ
鏡筒側でも、2013年に超短焦点アストログラフ「VSD100F3.8」、2023年には眼視と撮影の両立を狙ったフラッグシップ「VSD90SS」を投入しています。
タカハシとビクセン、性格の違い
国産の天体望遠鏡メーカーとしてもう一方の雄が、東京都板橋区の高橋製作所(タカハシ)です。
タカハシの源流は1932年創立の高橋鋳物工場で、鋳物業から光学部品へと進み、1951年に有限会社高橋製作所となりました。1977年には世界で初めて望遠鏡にフローライト(螢石)レンズを採用しています。少量生産で光学性能を追い込む姿勢が一貫しており、価格帯も高めです。
対してビクセンは、入門機から上級機までを幅広く揃え、量産技術と価格のバランスで裾野を広げてきました。2005年発売の経緯台式「ポルタ」シリーズなどは、まさにその象徴です。どちらが優れているという話ではなく、担ってきた役割が違う、と考えるのが正確でしょう。ビクセンは2014年に経済産業省の「グローバルニッチトップ企業100選」に選定されています。
望遠鏡以外の分野も強い
ビクセンは総合光学機器メーカーであり、望遠鏡以外の製品群も充実しています。1986年のフルマルチコーティング双眼鏡「アルティマ」シリーズ、1995年のフィールドスコープ「ジオマ」シリーズ、2018年の防振双眼鏡「ATERA」などです。近年はエクスプローラー・サイエンティフィック社(2019年)、セレストロン社(2020年)と日本における総合代理店契約を結び、海外ブランドの取り扱いも広げています。
ビクセン製品の買取を強化しています
カメラ堂では、ビクセン製品の買取を強化中です。以下のようなものは、年式が古くても一度ご相談ください。
- 赤道儀:ポラリス、スーパーポラリス、GP/GPD、アトラクス、SX/SXD/SXP/SX2、AXD、AXJ、AP、ポラリエ
- 鏡筒:SD/ED/FL/AX/VSDシリーズ、R200SS、VC200L、VMCシリーズ
- コントローラー:スカイセンサー、スターブック各種
- アイピース、レデューサー、三脚、ウェイト、鏡筒バンドなどのアクセサリー
- 双眼鏡、フィールドスコープ
赤道儀は本体だけでなく、ウェイト・三脚・モーター・コントローラー・純正箱などが揃っていると評価が上がります。「壊れているかもしれない」「箱がない」という場合も、部品取りとして需要のあるモデルが少なくありません。処分される前にお声がけいただければと思います。
買取方法は、宅配買取・出張買取・店頭買取からお選びいただけます。
宅配買取では梱包用の宅配キットをお送りしますので、段ボールをご用意いただく必要はありません。査定料・キャンセル料・返送費用はすべて無料です。関東圏はもちろん全国から承っています。
出張買取は、赤道儀や大型鏡筒のように重量があるもの、点数が多い場合におすすめです。東京都内・関東近県へお伺いします(都内は日程が空いていれば即日対応できる場合もあります)。
店頭買取は、東京都杉並区今川1-10-18 井口ビル101にて。営業時間は10:00〜22:00です。お仕事帰りにもお立ち寄りいただけます。
まずはお電話(0120-993-275/03-5657-7182)か公式LINE(@989cqwbi)、メール(info@kaitorikameradou.com)でお気軽にご相談ください。写真を1枚お送りいただくだけでも、おおよその目安をお伝えできます。
長い間かけて集められた機材だと思います。次に使う方の手に渡るよう、責任をもって査定いたします。
カメラ・光学機器買取専門店「カメラ堂」 長尾

